「…また眠そうになってどうすんの」
あたしを後ろから抱き締めながら振り向いてみると目が虚ろになっている。
「…眠くない」
「うそつけーい」
顔に思いっきりお湯をかける。
「うわっ」
当然顔がビショビショになる。
「ごめんごめん」
反省のいろもなく、笑いながら言う隆裕。
このやろう…
「最近そんな忙しい?」
「女の子の扱い方が難しい」
真剣に言う。すごく唐突に。
「…………女の子?」
「生徒会、いままで先輩しかいなかったし、頼ってたんだなあって実感した」
菜々子ちゃんのことか。
隆裕は、はっとしたような顔をする。

