「全部うまい」 髪の毛がくしゃくしゃになるほど撫でられる。 自分で食べてみたけど、『うまい』と言えるよりは『普通』と言った方が妥当な味。 ああもう、 隆裕の顔を見る。 「ばか」 「何が?」 「全部。」 照れ臭くてあたまをぐりぐりさせる。 「ふう、ごちそうさま」 「全部食べた…」 驚きが隠せない。 「ちょ、お腹壊さないでね?」 「食べられる分わかってつくってるくせに」 伸びをしながら言う。