煙草とキス




「チケット、当日でいいと思ってたのが馬鹿だったわ……」




「この様子じゃあ、完売ですよね…」






そう話しながら、あたしとひかりさんは顔を見合わせた。







………と、そのとき。




「あっ、澪ちゃん!」



「な、なんですかっ!?」





突然ひかりさんが声を上げて、



あたしの腕を引っ張って、チケット売り場へ向かった。





「あの……ひかりさんっ?」




あたしが声を掛けると…






「すみませんっ、椎名なんですけど…」





ひかりさんはあたしを見ずに、



急に、受付のスタッフへそう言った。






「ひかりさん…あの~…?」




ひかりさんにまた声を掛けると、



今度は、何やら紙を見つめていたスタッフがあたしの声を流した。






「あっ、招待ですね?
えっと…bitterlipsからされています」