………ときどき、快斗の黒くて綺麗な瞳に、吸い込まれそうになる。
真っ直ぐな視線に捕われて
目をそらすことができない。
あたしは、唾をゴクリと飲み込み
快斗を見つめた。
「俺らのライブと、かぶってるし」
快斗が、チラッとテーブルの上のビラを見た。
「えっ…?」
「そのメイって奴のライブも、今日なんだけど」
「…うっそ!?」
声を上げて、テーブルの上のビラに手を伸ばすと
快斗は、煙草を灰皿の上で押し潰しながら
あたしを見て、腹を抱えて笑った。
「え~…どうしよう…」
確かに、ライブのビラには、今日の日付が書かれている。
しかも、オープンの時間まで
ぴったり一緒だった。
あたしは、困った顔をして
ゲラゲラと笑う快斗を見上げた。


