「俺らのデビューはALICEにとって邪魔で不利なんだ。だから、同時期に有名な所からデビューして世間の目をALICEに向ける。あいつらはそう考えてるんだよ」
酔いがまわった頭では、快斗の言葉を聞くだけで精一杯だ。
でも、ALICEの思惑がよく分かる。
「これはタイバンなんかの領域じゃない勝負なんだ。音楽界で生きるか死ぬかだろ?」
快斗は、そう言ってまたため息をつく。
あたしはすごく
涙を抑えるのでいっぱいだった。
快斗にとって、メジャーデビューすることは自分の夢への一歩という意味で
そこから音楽界に名を轟かせて生き残るのが夢みたいなもの。
それを他のバンドに……
しかも、よりによってALICEに潰されてしまうなんてゴメン。
だから快斗は、それを知った今日はあたしにかまってる暇無いんだ。
そんなの、少し考えたら分かることだったのに、あたしは……
勝手にイラついてしまっていた。
それが、すごく情けない。


