煙草とキス






「…………会いたくない…」








酔っているから

こう言ったんじゃない。






ただ、高尾さんの話が嫌だった。


メイの話を聞いて、あたしを放っていなくなった快斗が嫌だった。





そんなの、怒られてスネた子供が言うような……


一時的な感情だけの、言い訳みたいなものだとは分かっている。




自分でも 幼いなって思う。







だけどあたしは、自分の感情を上手く抑えられなかった。




気付いた時には、もう遅くて。





ひかりさんを怒鳴るように、快斗を呼ぶなと懇願していた。







賑わっていた店内も一気に静かになり、人々の視線がこちらに注がれている。





小さく流れていたBGMだけが


妙に浮き出て聴こえた。