それから何分かすると、結婚式の始まりを知らせる
大時計の鐘が鳴り響いた。
その鐘の音が
あたしの鼓動を速くする。
一気に人で埋め尽されたチャペルでは、ひかりさんの登場を待つ人々のざわめきが響いていた。
「なんか緊張する…」
「澪が緊張してどうすんだよ」
十字架と聖マリア像の前で、ゆらゆらと揺れるキャンドルを見つめる。
あたしの隣では
快斗が頻りに、後ろを振り向いていた。
なんだかんだ言って、快斗だって初めて出席する結婚式。
ひかりさんとは、まだ数回しか会っていないけれど……
ウエディングドレス姿のひかりさんを見たい気持ちは、快斗だって同じのはずだ。


