そのとき。





「……澪はさ」





黒いアスファルトを見つめて歩いていたあたしに


快斗が呟くように声をかけてきた。







「夢とかあるの?」



「えっ……」






突然の質問に、思わず聞き返す。



そんなあたしを快斗は見て、それから視線を空へと移した。









「俺、澪の夢が知りたい」









夢……?あたしの、夢?





そう考えたとき、あたしの頭の中に浮かんだのは








「……ずっと隣に居ること」









快斗の隣に、ずっと居ること。




ただ、それだけだった。








「快斗の隣にずっと居たい…」








何故か、涙が頬を伝う。



だけど快斗は、何も言わなかった。