煙草とキス






「じゃ、徹平言って」



「…えぇ!?こんな大事なことって、フツーはリーダーが言うんじゃ……」





ちょっと…というか、かなり焦った様子の徹平は、そう言って龍也を見た。




でも、龍也はジロッと徹平を睨むだけ。






脅迫とかされるよりも……



この方が、断然恐いし、従わざるを得ない感じだ。







「…分かったよ」




徹平がそう頷くと


龍也は急に表情を変えて、徹平に笑顔を送った。




それを見た梓と快斗は、何故か笑いを堪えている。






そんな彼らが、おかしかった。









だけど、すぐに気を取り直した徹平は、おもむろにあたしの方に体を向けた。





「実は、澪ちゃんに知っててほしいことがあるんだ」






妙に真剣な表情の徹平。


ちょっとそわそわする梓。



龍也の視線はどこか遠くに向けられ



快斗の目は、ただあたしをジッと見つめていた。