煙草とキス






そういえば、快斗にひかりさんのこと教えなきゃいけない。






まあ、快斗にとっちゃ


ひかりさんの結婚や、妊娠は関係無いんだけど。






でも、ひかりさんとファミレスを出た後に言われたのだ。






『結婚式は大阪だけど
ぜひ快斗くんと2人で来てほしい』と。








つまりは、招待されるということだ。



快斗にしっかり


エスコートしてもらわないと……








なんて言ったら、快斗はいつものように煙草の煙をあたしに吹きかけるだろう。






でも、不快には思わないから


そうされることを期待して、ちょっとニヤけた自分がいた。











「じゃあ…。こちらのファンに、一足お先に言っちゃいましょーか」




「ああ、そうだな。
なんかもうニヤけてるし?」






そんなあたしをよそに、龍也の指輪を手の中で転がす梓と


そんなあたしを、冷たい目で見た快斗が頷いた。