煙草とキス






本当なら、ライブ関係者らと打ち上げをしなきゃいけないのだろうけど……



そのスタッフたちが


初めての単独ライブを大成功させた快斗たちに、色々と気を遣ってくれたらしい。






それで、関係者との打ち上げは、来月の夏イベントへと繰り越されたそうだ。










「いや~、今日のライブは燃えたね!」



「客がヤバかったよ」





ビール片手に、目をギラギラさせる徹平に梓も笑顔で答えた。



隣で、快斗と龍也も頷く。





そんな彼らを見て


あたしは大袈裟に頭を上下させた。







「もうね、みんなテンションMAX!超盛り上がっててすごかった。
あたしは何回も蹴られ殴られ…」





痛む腕を捻ってみると


案の定、数箇所に青いアザができている。




それを彼らに見せると、煙草をくわえた龍也が笑った。