煙草とキス





一瞬で照明が落とされ


目の前が急に真っ暗になり、会場がどよめいた。








………と、思ったら





途端に眩しい光線があちこちから飛び、チカチカとステージを照らした。




昨日と同じ曲からのスタートだが


照明効果は全く違う。



始まり方も、昨日とはまた違うかっこよさで演出されていた。









「「ワァーーーッ!!」」





800人以上の大きな歓声が


ステージ上から、鋭い眼差しを向ける快斗に降り注ぐ。




ステージを右へ左へ動きながら歌う快斗の声は、艶やかで色気のある中低音であることには変わりない。






あんなに動いているのに


あんなに跳ねているのに






快斗の声は揺るがなく、より一層、力強さを増していく。