煙草とキス






   ~♪~♪~♪~







新幹線のホームに着くと


新幹線到着のメロディが鳴り響いた。





そして、まもなく新幹線がゆっくりとホームへ入ってきた。






もう世間は夏休み。


家族連れの旅行客や帰省客で、ホームはごったがえしている。






「良かったですね、指定席取れて」



「奇跡のキャンセルが出たからね」





5号車入口の方へ、小走りで向かう。





新幹線の停車時間はそんなに長いものではない上に、この混み様。




ちょっとファミレスに長居しすぎたかも。








「それじゃ、今日もライブ楽しんで」



「はい!ひかりさんは、体調崩さないように気を付けてくださいね?」




「うん、ありがとう。
澪ちゃんも快斗くんも、頑張りすぎには注意だからね?適度にゆっくりしなよ~」





そう言ってあたしの頭を撫でてくれたひかりさんは、やっぱり穏やかで優しい笑顔を浮かべていて。



あたしまで、自然と笑みが溢れた。







「今度は大阪に2人で来てね?
夫婦で大阪の案内してあげるから」



「はい!その時はよろしくお願いします」





あたしはそう笑顔で言い


ひかりさんの荷物を、全部手渡した。






そして、ひかりさんが新幹線に入ると同時に発車の合図が鳴り……




ゆっくりと動き出した新幹線に、あたしは手を振った。




窓からひかりさんの優しい笑顔を見れて



なんだか気持ちが


ほんわかとした気がする───