煙草とキス





「まあ、でも何はともあれ。
素敵だよね。快斗くんの演出!」



「いやっ…あれは…」




ひかりさんが、あまりにもジーッと指輪を見るもんだから


あたしの声は裏返ってしまった。






「そういうことしても、快斗くんはかっこいいよね」




ひかりさんはクスクスと笑って


目線をステージに向けた。







いつも快斗が使っているギター。



それはヴィンテージものらしく、あたしが触ると、ちょっと怒る。





いつも梓が使っているギターは


マメな梓の性格からか、相変わらず光沢があって、綺麗なブラックだ。




徹平のベースは


いつもライブでしかお目見えしない、年季の入ったもの。





ドラムは龍也のもので


バスドラムに、赤い薔薇のステッカーか何かが貼られていた。