「……澪ちゃん待って!」






突然、掴まれた右腕。



メイの温かい熱が、その掴まれた腕から伝わってくる。




あたしは、驚いてメイを見た。







「澪ちゃんに、言いたいことがあるの」







胸が、ドキッとした。


目力があっという間に変わるメイ。



あたしは、目を離さずにいられなかった。







「どうしてもね、過去を引きずってしまうのがメイなの」




「メイ……?」




「だから、澪ちゃんと出会った日も
過去を引きずって泣いてた」






そしてメイはうつむきながら



あたしの腕から手を離し、淡々とあたしに話し始めた。