だけど結局、あたしはもう何も言うことができなくなってしまって
歌うように話すメイの声に
ただ耳を傾けて、頷くだけだった。
「あっ、ヤバイ!
みんなのこと放って来ちゃった!」
「……へっ?」
「もっと話していたいけど…。
そろそろ、メンバーのところに戻らなきゃいけないの。ごめんね、澪ちゃん」
メイは、またとびきりの笑顔で言う。
サッと立ち上がったときには、メイの甘い香水の匂いがした。
「ううん、あたしこそ…ライブ直後にごめん。今日のライブも、本当に最高だったよ、メイ」
あたしは、自分でそう言いながら
かなり胸が苦しくなった。
躊躇して、ライブを見なかった。
恐くなって、会うのも嫌になりかけた。
そして、挙句の果てには……
「来てくれてありがと!
じゃあ、気を付けてね、澪ちゃん」
「………うん」
挙句の果てには、嘘をついて
結局、メイの気持ちも何も、聞くことができずにサヨナラだ。
「それじゃあ……バイバイ」
本当に、あたしって──────


