「そういえば……
澪ちゃんときちんと会うのって
今日が初めてなんじゃない?」
「あっ、そういえばそうだ。
初めて会ってからは、
電話でしか話したりしてないもんね」
あたしがそう言うと
メイは、少し大袈裟に頷いた。
そして
「でもなんか、昔から知ってるみたい」
なんて言うもんだから
あたしは、胸を針でつつかれたみたいな感じがして仕方がなかった。
「ほんとに……
昔から知ってるみたいだね…」
あたしってば、どうしてこう…
ちゃんと現実に向き合えないんだろう。
メイの過去を知ってしまったのに、どうしても、話を切り出せない。
これじゃあただの
現実逃避をしている弱い人間だ。


