煙草とキス





「そういえば……
澪ちゃんときちんと会うのって
今日が初めてなんじゃない?」



「あっ、そういえばそうだ。
初めて会ってからは、
電話でしか話したりしてないもんね」




あたしがそう言うと


メイは、少し大袈裟に頷いた。






そして



「でもなんか、昔から知ってるみたい」






なんて言うもんだから


あたしは、胸を針でつつかれたみたいな感じがして仕方がなかった。






「ほんとに……
昔から知ってるみたいだね…」







あたしってば、どうしてこう…



ちゃんと現実に向き合えないんだろう。





メイの過去を知ってしまったのに、どうしても、話を切り出せない。



これじゃあただの











現実逃避をしている弱い人間だ。