煙草とキス





───「…今日のライブ、澪ちゃんが来てくれるの、待ってるね」





そして、世那と会ってから数日。



気付けば今日は、メイのタイバンの日になっていた。






下北沢のライブハウスでのタイバンは、夜7時を過ぎてから。




ケータイを耳に当て、ふと窓の外を見れば空はもう真っ暗。




メイからのメッセージが


虚しくあたしの耳に残っていた。







「はぁ……」



あたしの小さなため息さえも、今のこの部屋には、よく響く。




快斗はまだ帰って来てなくて


あたしは、時計を何度も見ながら、どうしようか迷っていた。





……というか、躊躇していた。