「澪、お前は知らなくていい」
快斗は壁にもたれ、低い天井をジッと見つめて呟いた。
快斗の手の中では
きっと、メイからだろう。
あたしのケータイが、パネルを光らせながら震えていた。
でも、あたしは快斗の手から、ケータイをひったくることが出来なかった。
何か、意味があっての行動なんだろうし
何より、あたしはメイに快斗のことを聞いて、その答えを知るのが
本当は恐かったから。
どこか、ホッとした気持ちの部分もあったのだ。
けど………
「快斗……。
あたし、もう知ってるんだよ?」
あたしは、思っていることと違うことを口にしていた。


