涙の跡


そしてわたしは子供らしいことだけではなく人間らしいこともできなくなっていった。

いつのまにか悲しくても
涙が出なくなった。

話したくても声がでない。

わたしは六歳で涙と
言葉を失った。


いつのまにか感情のない
人形のようになってしまったわたしを園の皆は
怖がった。


無表情で言葉を話さない
わたしは人形そのもの。