涙の跡



とりあえずわたしも玄関へ行き靴を掃いた。

そしてお母さんの車に
乗り込む。


わたしを乗せた車は
二度と戻ることのない家を出発した。


しばらくして空港についてお母さんがわたしの手を
握って歩き出した。


お母さんの手は冷たかった。


そしてわたしは生まれて
飛行機に乗って遠い異国へ行った。


何時間かして飛行機の
着陸を知らせるアナウンスが機内に響いた。


チラッと隣にいるお母さんをみると酷く辛そうな顔をしていた。