しばらくしてもう辺りは
真っ暗になった。

お兄ちゃんは帰って
こない。


「ミレイ、なにしてるの?そんなところに突っ立って。暗くなったからお家に
はいりなさい」

リビングの窓を開けて
元気のない声でお母さんがそう言った。

お母さんはお父さんが
死んでから全く笑わなく
なったし口数も減った。

モデルの仕事も辞めた。


毎日家に来るマスコミにも

うんざりしている。

お父さんが死んで家族は
壊れた。

幸せだった頃の面影なんかもうどこにもない。