【短編】もう少しだけ



「何でもないよー」

「うそー! 茅乃、笑ってたじゃんっ」

「笑ってないって」

「笑ってたよー」

「真祐の見間違いじゃない?」

「いーや、笑ってたでしょ?」



くだらない言い合いが楽しい。

真祐とは、ずーっとこのままがいいなぁ。


周りなんかに流されず、ずっとこのままの関係がいい。



「もーう、教えてよー」

「やーだっ」



そう言うと、ぷぅっと膨れた真祐。


ありゃ、ちょっとイジメ過ぎたかなぁ?

そっぽを向く、真祐の前に回り込み見上げた。



「怒ったのー?」



見上げた顔は、凄く真剣で。

一瞬にして、私も真顔になった。


ど…うしたの?


肩を掴まれ
『えっ?』
と、かすれた声が出る。



そのまま近づく真祐の顔。

キスされる!?