【短編】もう少しだけ


携帯を開いて、新規メール作成。

“ごめんね”を打っては削除。


何度繰り返したかわからない。


今回は、絶対……私が悪い。

わかっているけど、謝れない。



真祐と付き合ってから私から謝った事なんて1度もないから。



いつも喧嘩になる前に真祐が謝ってきてくれる。
例え私が悪くても。


甘えすぎてたのかなぁ?
調子にのってたのかなぁ?


どうすればいいのか全然わかんないよ。



あの日以来、真祐との距離は開いたままで。


いつもみたいに
『茅乃ー!』
って叫び声は聞こえない。


すれ違っても目すら合わせてくれない。
それに、見かける度に女子と仲良く話してる姿。



もう私達って終わりなのかな?



「茅乃ー、最近どうしたのよ?」

「へ?」

「真祐君、昔みたいに戻っちゃったじゃん」

「え? 昔?」



休み時間、机に伏せたままの話してた私は驚いて顔をあげた。



「茅乃、知らなかったっけ?
真祐君って結構遊んでたんだよー?」

「真祐が!?」

「うん、でも茅乃と付き合ってから、変わってさーって、茅乃!?」



そのまま教室を飛び出した。


どこへ向かってるかなんてわからない。

取り合えず、真祐と会いたい。
真祐と話がしたいのっ!