生の象徴であり罪の象徴

赤き十字は生を縛る


【ブラッティ・クロス】


血の十字は死を拒む






†††††††††††


壊せ


(本当は)


殺せ


(無知で)


破滅を喚べ


(ありたかった)


殺戮に生きよ


(エレン―)


―エレン!!



†††††††††††


「エレン?」


聴き馴染みのある声


「キツキ」


視界でたなびく漆黒の長い髪

漆黒の瞳

あぁ、キツキだ


「帰ろう、エレン」


最早、俺に帰る場所などない

けれど


「みんなが待ってる。」


これが残像であり虚像であっても


「行こう。もうじき夜が明ける」


夢が醒めるまで

この虚偽が崩れる瞬間まで


「あぁ。―帰ろう」


縋っていてもいいだろうか

その姿はなんと滑稽で傑作

俺は、何時まで


「…なぁ、お前は誰なんだ?」


「なんか言った?」


「独り言だ」


逃げ続ける?