真夜中の学校は暗い

闇の支配下にあるこの場所

奇声にも悲鳴にも似た音が反響しあって不協和音が満ちている

微かに香る生臭い鉄の臭いに鼻をしかめる

かなり強烈だな

人間がいたのか…

それも多数

どうやら早い内に姿を現したらしい


「キツキ、きぃーつけろよ」


「そのまま返す」


苦笑が漏れる

ったく、なんだってこんな凄まじいんだ?


入った教員室は血の海だった

もう数時間

血は鮮やかな赤色ではなく黒ずんでいた

教師の遺体と呼ばれる遺体は数えれるだけで10体くらい

この学校の教師は全員で15名

はっ、残った教師は5名

かと言ってその5名も生きてるかと言えば不明だ

ったくめんどくせ

ちゃんと残り5名が生存してるのか確かめなきゃならねーとは

手間かかるなぁ

死んでりゃ楽で…


「ちっ。なに考えてんだよ、俺は」


常識外れ過ぎるだろ

いけない

あいつに会うまでは常識人でいなければ

…既に常識外れなんだろーげとよ