「…わかった」


「じゃあ私はこれで」


海魅が闇に溶けて消える

彼女は人間でないのかもしれない

にしても今日はいろいろ知りすぎた

人の名前も覚えた

彼とは誰なんだろう

僕の永遠

興味がないわけじゃないけれど

知らないほうがいいこともあるんだと

それだけは知ってるから

いずれ知る日がくるまで放置しておこう


「……無知であろう」


それが出来ればきっと僕は死ぬまで幸せ者でいられるから

ただの傍観者ていられるから

知らないようにしよう

わからないようにしよう

辛いのは嫌いだから


「寝よ」


もう眠たい

寝れば大丈夫

寝ればすべてがうまくいく

そんな気がして僕はベッドに横になり


「……知ってる名前。誰だろう。―エレンって」


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