「もういい。触らないで。」 あたしは関口の手を振り払い、教室に向かった。 「もう大丈夫なのか?」 関口も、急いで上履きを履く。 「嫌いな奴の頭なんかむやみに触るなって、小学生のとき先生言ってなかった?」 「え?じゃあ、嫌いじゃなければ触っていいってことだろ? つーか言ってなかったし。つーか嫌いじゃないし。」 関口はクスクスっと、笑うと、あたしの前に立ちはだかった。