掌編小説集

貴方は自分のせいで傷が残るような怪我を私にさせてしまったと、怖い思いをさせたと気にして。

自分を怖がらない私に偶然会うことが多くなって、隣に居ることどころか自分から会いに行って。

快挙達成を目論む奴等に自分と親しい間柄であることを凧で知らしめてしまっていたと後悔して。

落ち込む貴方の同僚は気を使って貴方は排気に忙しいからと優しい嘘を付いてくれているけれど。

直接言いたいことがあるから連れて来て欲しいとドウダンツツジでも貴方の同僚へ無理を頼んだ。

助けてくれてありがとう、会ってお礼が言いたかったの、寒柝に仕事が忙しいのにごめんなさい。

いつもの誰かが発言したらその通りになって仲良くやりたいからこそ否定する誰かが存在しない。

誰かが我慢する一方で誰かがやりたい放題に噂だけで判断する人達に言っても理解してくれない。

貴方は自分を特殊な体の持ち主だと思っているけれどそれは特異体質なだけで至って普通のこと。

我を忘れるなんて言葉があるくらいなのだから、怒ると自分の力を抑えられないのも普通のこと。

誰かが傷付けられて我を忘れて怒ったり傷付いたのを自分のせいだって後悔したりも普通のこと。

別に不細工なスケールアウトで、人に迷惑を掛けることをメジウムに容認しているわけではない。

特殊を言い訳にしてメダルラッシュに何でもかんでも好き勝手にしていいってわけでもないから。

人に迷惑を掛けてしまったら誠心誠意謝って物を壊してしまったらクリップボードごと弁償して。

暴力的な言動で気性が荒いなんてそういう識別マークな人は誰であっても一律に孤立してしまう。

それは特殊であろうとなかろうと同じなのだから、自分が特殊なせいだなんて思わなくてもいい。

治りが早くても血が出て痛くて傷付いているし、短気で問題行動ばかりだけど厳然と理性はある。

ガチギレした時だけ暴力になる可能性を秘めているけれど、怪物級の怪力では単に力持ちなだけ。

皆貴方は特殊だから特別だからと言って恐れてしまうけれど私は貴方が普通の人にしか思えない。

確かに貴方の体は特殊であり特別なのかもしれないけれど、思考回路は人並みに普通なのだから。

私を助けに来てくれたことが嬉しかったし私のために怒ってくれて嬉しかったから気にしないで。

貴方は普通のことしかしていないのだから普通に気にするだけでよくて普通に謝るだけでよくて。

特殊で特別で異常で誰も彼もに恐れられる人なんかではなく、私を助けてくれたとても優しい人。

私の感想でそれを貴方に押し付けることになるから言わなかったけれど、今は気にしていたから。

普通だなんて初めて言われたと貴方は驚いているけれど、私は初めから普通としか思わなかった。