掌編小説集

産んであげられなかったとか助けられなかったとか
世界か宇宙かで自分が一番の悲劇の主人公気取りで
こんなはずじゃなかったに付き合わされる甘さへは
気の持ちようで何とかできる雰囲気醸し出していて
事切れるに言葉が出てこないから叫ぶしかないとか
先回りしてスタンバイしてからのごまめの歯ぎしり
在来種の威圧感と外来種の威圧的な掛け声でW主演
此程のトドラーの抜根はその線で終わってしまった

だけれど拒絶反応も拒絶回避も雑食にそうじゃない
健康で産まれ自家発電に人生全うして終えるなんて
それこそデータを書き換えるくらいに普通じゃない
生きているのが奇跡なだけで偶然死ななかっただけ
当たり前にあっさり逝くから極太で劇録に遺るだけ
最高傑作の更新である水源の命を知っていくことで
背負っていくものが大きく重く式典ごと増えていく

だから私の元に君が居ないのは悲劇でも何でもない
居なくなったことを悲しんでも悼んでもいいけれど
神様コノヤローって叫んでいいし怒っていいけれど
他の人の奇跡を羨ましがって妬んだっていいけれど
誰も入れないけれど誰もが出られる人生だからこそ
やっぱり不格好でも笑っていて欲しいものだろうか

私と居たことが完成間近でのダイバートだとしても
君が居たことがすべからく天にも昇る気持ちにして
後生ですからと痩せ細った地盤沈下に軍配を返した
社会情動的選択性理論の心理傾向でもイロハモミジ
君と私が出会えたことがただただ奇跡なのだから。