掌編小説集

こんな感じじゃどこに行ったって無理
この仕事合っていないんじゃない?

疑問の形をとっているけれど声音には明らかに否定の色が強い

いやいやこの仕事ではなくこの職場が合っていないだけ
現にこの職場以外は上手くいっているから
人の人生をお前のデータだけで判断するな
お前の世界シェアはゼロパーセントだから

嫌なら辞めてもらって構わないとか
君の代わりならいくらでもいるとか
手を焼いているんだ諦めるいい機会じゃないかとか
折に触れて吐かれるその程度の嫌がらせでしか自分の優位性を示せない
嫌ってようとこちらに害がなければそれでいいから私の邪魔をするな

でもいざ辞めようとすると人手不足とか無責任とか
凡庸な私の仕事なんて誰にでも出来る仕事じゃなかったんですか?
いつか消える傷でもここにいる限り癒えることはない
告発なんてしても守ってもくれずに逆恨みされて余計面倒なことになるだけ
手中に落とそうとする言動なんて受け止めずに変換して
怪盗の会頭が解凍された解答で回答して解党

他人に遠慮して私の人生を曲げたとしても
その他人はもちろん誰も私の人生の責任を取ってなんかくれない
だから誰に憚ることなく私は自分の道を貫くのを優先する
だって私の人生にお前の許諾なんていらないから

泥沼へ沈むのではなく心のシャッターを下ろして
怪しまれないように普段通りの行動を取って泳ぎきるだけ
次の人が決まるまでとか阿ても転籍すら断固お断り
お前が予想だにしない頭一つ抜けている底力で手中に収める

天才ではあるけれど天才ぶりはまだ発揮していないエピソードゼロ
鶏口となるも牛後となるなかれの出代をちゃぶ台返しでジーニアスのサクセスストーリー
壮快な蒼海で総会を掃海して爽快そうかい