江戸切子の風鈴と
望むはソアリング



質屋で手に入れた年代物の万年筆は
一両日中動いていない



金平糖を転がしたり
キセルをふかしたり
竹光と戯れたり
いろはかるたを見返したりしてみたが



草案さえ浮かばないのは
やれやれ困ったものだ


ダイヤモンドダストを
期待してしまったのは間違いだったのかもしれないな



喧騒がトレードマークの市街地を
信頼なんてしていないさ



裏切られてもいいと
そう思っただけなのだよ



やもめの刀自と
地下組織(アンダーグラウンド)の泥棒猫(デイトレーダー)



平成最後のフィクサーとの盟約(スリーレターコード)は
ガーゴイルが見守る情交の中にしかない



言うに事を欠いて
死なば諸共などと



あの女史には
釘を刺されてしまったがね



似つかわしくない
フレグランスやオーデコロン



隠しきれない移り香に気付いても
ジョーカーに愛された男が聞いて呆れるかい



痛み入りますなんて
コンフィデンスマンを名乗るつもりはない



ラブコネクションなんて柄でもない
寝覚めが悪いからね



安楽椅子に座り、ピンポンマムを愛でながら
老師が愛した八咫烏の聖書(テスタメント)さえ嫉妬する



マザーグースやナーサリーライム、
あるいは、グラスハープのように奏でられる
暮れゆくこの夏の名残を




ただただ惜しんでいたいだけなのさ