っち。誰だよそいつ・・・。

   「桜ちゃんか。その子、清楚で
   優しくて可愛いって評判な子だろ?」

   そうなのか?
   まあ、あのルックスなら
   分かるけど。

   「喧嘩なら早く仲直りした方
   がいいぞ。あの子人気だから
   すぐ取られそうだし。」

   「っち。お前に言われたかねえー
   けど、そうする。」

   俺は桜に謝る決意をした。
   秀一は不満そうにしていたが、
   別にいいだろう。


   キーンコーン・・・

   下校時刻になり、俺は
   桜の教室へ向かった。

   「きゃっ!櫻木先輩よ。」

   一年の女子が俺を見る。
   俺は教室の中を見渡すが、
   桜の姿はどこにも見当たらなかった。