「俺、本当に桜が好き
   なんだよ?」

   はあー。また始まった。

   「はいはい、知ってるわよ。」

   そう、軽く流そうとしたけど、

   「桜、俺はマジだよ。」

   そう春真が言いながら私の腕を
   掴んで、本棚に軽く押しつけた。
   
   春真の目、本気だ。

   「は、春真?」

   「ホントに、桜は可愛い。」

   そう言って、春真が
   私に顔を近づけて来た。

   は、春真!

   私は目をかたく瞑った。