出た、またいつもの
嫌がらせ。
「またからかうつもり?」
「全然!てか、桜が抵抗しても
男の俺に敵うはず無いんだけど。」
途中、春真の声が低くなる。
うわ、こいつまた男になってる。
春真はいつも、私をからかう時
声を低くする。
でも、その声はいつもの可愛げな
春真の声ではなく、かっこいい
大人の男の人の声になる。
「俺、桜の事・・・。」
春真の顔が近づいてきて、驚いた
と同時に目をかたく瞑る。
しばらくして、春真は笑いながら
私の上から体をどけた。
「桜は困った顔が一番可愛い♪」
そういつもの可愛い声で
言い残し、図書室を出て行った。
・・・絶対からかっただけだ。

