痛い。



痛い痛い痛い痛い痛い痛い。



全身の骨が軋んでギシギシと音がする。


もともと華奢で164cmに48kgしかなかった僕も、たった5年で39kgにまで落ちた。


「おい」

「……はぃ…」

「お前よぉ、誰のおかげで大学通えでんだ?ああッ?」

耳元で怒鳴られて耳鳴りがする。

「…せ、せんぱぃッ…のおかげです…」

「したらなして言うごと聞けねーんだ?男さも女さも愛嬌振りまいでんでねぇどこの女男がッ」

そう言って僕の鳩尾を蹴り上げる。

しかも向こうは靴を履いていて、僕は裸。ダメージはかなり大きい。

「かはッ……ごめ、なさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃぃぃいぃい!」

訳がわからなくなった。
なんで僕はこの人に殴られてるんだっけ。

なんで僕はこの人と付き合ってるんだっけ。

初めは凄く優しかったのに。
愛を求めすぎたのかな。


「ごめんで済むんだらマッポいらねんだわ」


地元が北海道で、両親がいないっていう共通点だけで出来上がった関係。

なんで僕は…この人に愛を求めてしまったんだろう。

でも、今さら普通の恋愛を求めるつもりはない。



先輩には僕が必要なんだ。
僕も多分先輩が必要なの。






「…うっ…あ…痛っ…」

暴力の後は慣らしもせずに後ろに入れられて、終わったら急に優しくなる。


「真咲…好きだよ。ごめんね」


そう言って笑顔を見せられたら、


何も言えなくなる。




先輩…本当に僕の事好きなんだよね?