「行ってください。先生には、上手く言っておきますから」 京香があたしの背中を、強引に押す。 そんな優しさが、あたしには嬉しかった。 亮太があたしの頭に手を置く。 温かくて、優しい手だった。 「早く行ってこい。向井を探せるのは、理沙しかいない」 あたしはしっかり頷くと、ドアに向かって走る。 鞄を掴み、机の横をすり抜ける。 「みんな、ありがとう!・・・行ってくる!」