幼い頃の小さな約束





あたしと古田零は、教室を一緒に出た。

教室に残っていた一部の生徒が、興味津々な顔で見てくる。




しかし、古田零の不思議な空気のおかげか、誰からも話しかけられなかった。







「なんか、いつものあたしと違うかも・・・」




あたしはもっと、慎重に考えて行動していたはずなのに。

お礼をする、なんて言いながら、何も考えていなかった。




古田零のことになると、変わってしまうのかな?






さらにあたしは、思考を働かせる。

・・・そういえば、京香ちゃんが言っていた友達がいないって、どういうことなんだろう?

コミュニケーション力が無くて、見た目は良いのに、人が寄ってこないって言ってたなぁ。

いい人なのに。