~ゆきside~




「・・・はぁっ、はぁっ・・・、っ・・・」




理沙と別れ、あたしは廊下を駆け抜ける。

多分、今までこんなに速く走ったことは、ないと思う。




あたしは急いでいた。






京香ちゃんが教えてくれた、古田零と言う、あの人の名前。

あたしはその名前を、しっかりと覚えた。




いつもだったら、何回か聞き返すことが多いのに。