「・・・沙、理沙・・・」 誰かが、あたしのことを呼ぶ。・・・あなたは、誰ですか? 懐かしい、過去に聞いたことのある声。 優しくて、耳にじんわり入ってくる。 温かくて、綺麗な声。 暗くて、何もない世界に、あたしは一人で立っていた。 たくさん走った。でも、光は見つからない。 探しても探しても、その声の主は分からない。