~ゆきside~ 「いらっしゃいませ、お嬢様」 木野君は、うやうやしくお辞儀をする。 彼の整った容姿に、お客さんの女性は一瞬で虜になってしまう。 あたしは隣で見ていて、すごいなと感心してしまう。 全てが、完璧なのだ。 お辞儀のタイミングも、笑う角度も。 メニューの差し出し方も。 どれを取っても、超一流。 それに、執事の木野君は最高にカッコいい。 いつもとは少し違う彼の姿に、あたしの心臓は鳴りっぱなしだ。