それから、話は弾んだ。

この家族で、よかった。

そう思えた、本当に。


「お母さん、私トイレ行ってくる」

小声でそう伝え、トイレに向かった。






手を洗いながら、ふとなぜかお父さんのことを思い出す。

すごく、優しくて温和で、修司さんみたいにお金持ちじゃないけど、

とても幸せな家庭にしてくれてて、大好きだった。


「お父さん・・お母さんのこと、幸せにするからね」


そう言って、トイレを出た。


「あ、美咲、ちゃんだよね?」

「え?あぁ・・光太・・さん」

「ん?さん付け?光太でいいよ~」


あぁ、軽いな。

口調といい、仕草といい、すべてがそう思えた。


「じゃあ、光太く「光太!」



「・・・・・・・・・・・・・こう、た」