『凄いな、アレンの奴。それだけ悔しかったんだろうな、お前とリタが傷つけられたこと

自分が原因の一因かもしれないから、尚更』


『……でも、そこまでしなくても』


『魔方陣マトモに見て一番心配かけさせたお前の言えることじゃねぇだろ。だからもっと危機感を持てと……』


『うぅ……』


『……でもまぁ、今回の件で分かったな』



クリュウはそう言うと、ハァと溜息をついた。


私はそんなクリュウの声を聞きながら、委員長の方を見て同じように溜息をつく。



『「委員長だけは、絶対に怒らせないようにしよう……」』



普段優しい人ほど、怒ると人一倍恐ろしい。


そんな事を実感した、とある夜の事だった……。