違和感を感じた私は、クリュウのほうへ視線を向けた。すると、クリュウも戸惑った様子で首を傾げている。やはり何か違和感を感じ取ったらしい。


私は意を決して、可憐に微笑んでいるリタへ声をかけた。



「ね、ねぇ、リタ」


「ん?なぁに?」


「あの、リタとシェイド君ってどんな関係なの……?」



ただの先輩後輩という関係には見えない距離の近さに、私は恐る恐る質問する。


も、もしかして、二人はこいび……



「あれ、言ってなかったっけ?シェイドと私、姉弟なの」


「まぁ義理の、なんだけどね?」


「あ、な、なんだ……」



その答えに、私は小さく落胆の溜息を落とした。一瞬『恋人』って言うのを期待したのになぁ……残念。


――じゃなくて。



「「姉弟ィ!?」」


「え、あれ、知らなかったの?結構有名な話だったと思うんだけど」


「知らなかったよ!」


「俺様も聞いてねェぞ!?」


「なんでそんな面白そうなことを先に言わないの(んだ)よー!」



驚きのあまり揃って叫んだあと、私はリタの、クリュウはシェイド君の肩を掴んでガクガクと揺さぶった。


ワイワイと騒ぐ私たちに気付いたヒース君たちも参加し、騒ぎがさらに大きくなりそうだったその時――



「……騒がしいと思ったら、貴方達でしたか」


「てめぇら朝からうるせーよ。落ち着け」


「サクヤ先輩、リョウ先輩!」



突然現れた先輩たちに、いつの間にかリタとシェイドを奪われていた。