「てめぇ……」



まだ頭を抑えながら、殺気と共にゆらりと立ち上がる少年。


その迫力に気圧された私は、思わずジリジリと後ずさる。


とりあえず、



「……いま、なんつった」


「……え?と、大丈夫、って……」


「違ぇ!俺の事を『ボク』とか呼びやがっただろ!」



何か、彼の地雷を踏んでしまった事は確かなようだ。


なにが悪かったのかわからず、とりあえず謝ろうとしたその時……



「……放課後に、第4修練場だ」


「……へ?」


「まさか分からないのか?そこまでお前は能無しなのか!?

俺は、お前に決闘を申し込んでいるんだ!」


「あ、そういう意味だったんで……え?」


「いいか?わかったな!すっぽかしたりしたら許さないからな!!」



少年はそれだけを言うと、ぽかん…と口をあける私をキツく睨みつけて去っていった。


去り際に見えたのは、衿に青いラインの入った『高校』の制服。


それは、つまり……