私は思わず咳込みながらその場にしゃがみ込み、一体何が起こったのかと顔を上げる。


すると、



「うぉぉ……痛ってぇ……!」



視線の先には、頭を両手で抱えて床に転がる一人の男の子。


その姿に気付いた私は、痛みを堪えながら呻く男の子に駆け寄った。


体格差からいって、私よりも男の子の方が受けたダメージが大きいと判断したからだ。



「ご、ごめんねボク!大丈夫?」



見た目からして、12歳くらいだろうか。


小さいながらもがっしりした体躯と赤い髪を持つ少年は、私の言葉に反応して顔を上げる。


けれど、



「…………あ゙?」



次の瞬間、凄まれたのはなんでだろう。