「……?サクヤ先輩?」



驚いた私が呼びかけても、サクヤ先輩は肩を震わせ続けるだけ。


その挙動を不審に思った私は、先ほどからこちらを見守っていた生徒会役員にジェスチャーで部屋から退出するように伝える。


そして、生徒会役員が全員部屋から出たことを確認した直後――



「……ク、

クハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」



サクヤ先輩は立ち上がると、身体をのけ反らせて狂ったように笑いだした。


こぼれ落ちんばかりに見開いた瞳の色は、朝にみたような紫ではなく――禍々しい赤。



「あぁそうさ、君の考えた通りだよ!

しかし監視という言い方は感心しないなぁ、せめて見守るとは言ってくれないかい!?」


「なんでそんな……っ」


「なんで?なんでだと?そんなの簡単さァ!
大好きな大好きな大好きな人に変な虫がついたら、すぐに駆除できるようにしているんだよ!

――そう、君のようなねェ!!」



サクヤ先輩はそう叫ぶやいなや、右の手の平を前に突き出した。