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時は移り、放課後。



「……失礼します」



私とクリュウは軽くノックをすると、『生徒会室』と書かれた立派な扉を開いた。


中に入ると、他のどの部屋よりも豪奢な内装になっていて驚く。



(この部屋だけ石畳じゃなくて赤絨毯かよ!ふっかふかだなオイ!この贅沢者ぉっ!)


「……セリナ、馬鹿なこと考えてないで歩け」


「あ、ごめんごめん」



私はハッと我に返ると、脳内ツッコミを封印しつつ足を進め始める。


中には生徒会役員なのだろう、何人かの生徒が書類をめくっていた。


私はそれらを全てスルーし、一番奥の机の前に立った。



「……おや、セリナさん。どうかしましたか?」



私たちに気付いて顔を上げたのは、朝に会ったサクヤ生徒会長。


書類を整理する手を止めてこちらへ笑顔を向ける先輩は、穏やかに微笑んでいる。