そのうちの片方、凛々しい顔立ちをした赤髪の少年は、昨日私が保健室送りにした決闘相手――リョウ・ピズマ。


腕組みをして胸を反らし、こちらを強く睨みつけているのだが、その眼光の鋭さたるや……怖いの一言に尽きる。


私が思わず固まっていると、後ろからクリュウが抱きしめてきた。


慣れ親しんだその温もりと重みに、少しだけ安心したその時



「……なっ、なんでいきなりイチャつきはじめるんだよ!ここは学校だぞ?公共の場なんだぞ!?」


「「は?」」



髪の毛と同じくらい真っ赤な顔になったリョウ先輩が、こちらを指差して騒ぎ出した。


っていうか、え?イチャつくってなにが?


リョウ先輩の言ってる意味が分からず、私とクリュウはその体勢のまま顔を見合わせる。


すると、リョウ先輩はますます真っ赤になってしまった。え、なんで?


わけがわからず首を傾げると、



「こっ……、この破廉恥どもがぁぁぁぁあああああ!!!!」



そう叫ぶが早いか、リョウ先輩は一目散に校舎の方へと走り去ってしまった。……なんだったんだろう。


しかし、その疑問を口に出すより前に、目の前に立つもう一人のイケメンさんに声をかけられた。