「反撃するとしたら足だけど、足を伸ばした状態で上から押さえ込まれたら蹴れないし」


「…………」


「とすると、あとは頭突き?でも肩から上を押さえられたら首から上しか動かせないし……」


「…………」


「ねぇクリュウ、ちょっともう一度さっきの体勢に……って何してるの?」


「……お前に、恥じらいを求めた俺様が悪かった…………」



クリュウは、小さく何かを呟きながら頭を抱えている。どうしたんだろう。


疑問を感じて首を傾げていると、



「セリナさん、いますかー?」



軽快なノックの音と委員長の声が、扉の外から聞こえてきた。


私は返事をしながら飛び起きると、すぐに扉を開ける。



「どうしたの?アレン委員長」


「うん。ちょっと今いいかな――って、え?」



アレン委員長は何かを言いかけて、ベッドの上に座るクリュウに目を止める。


そして、しばらくそちらをジッとみつめたあと……